今は全くテレビの仕事をしていないが、ニュースカメラをそこそこマトモにやっていた時に多く聞いた・自分もあるあると思った事例を紹介しようと思う。
ずばり「イベント主催側からプレスとして呼ばれたが撮影席が確保されていない」という事例だ。
小さいイベントにありがち
小さいイベントほど外に発信したいと思うのは分かる。そこで、こんなイベントがあるからと新聞社やテレビ局に情報提供をすると運良く返事が来る時もある。当然のことながら写真や映像の撮影をしに取材クルーがやってくる。
しかし小さいイベントほど(大きいイベントにもまぁまぁあるが)プレス用の撮影席は用意されていない。正直言ってこれはかなり良くない。イベントの印象を悪くさせる可能性がある。プレス側の印象では無い、一般客からの印象だ。
撮影席が無いことで起こるデメリット
これはマスコ(ゴ)ミ特有の問題で、例えば一般客が入らない・入れないようにしているような、且つ色々なメディアが入り乱れる取材の場合(私は映像のカメラなので映像の話をすると)まず撮影場所は基本先着順。三脚や脚立、人を置いておく。それ以外にカメラの大きさが現場でヒエラルキーを発生させる場合がある。ショルダーの大きいカメラが一番前。ハンドヘルドや民生機みたいな小さいカメラは「お前はここじゃないだろ」となる場合が多々ある。
しかし一般客の出入りするようなイベントでこれは通用しない。これは取材クルーも分かって行っているが、一般客は仮にプレスが先に置いた三脚があっても平気で前後左右あらゆる場所に入り込み、陣取って動かない。同業の場合とりあえず左右にカメラを振れる・人の入れ替わりが出来る程度の余裕を残す。一般客の場合は全く身動きできない位置や、こっちのカメラに映り込む位置に陣取る。場合によっては場所取り用脚立や三脚を移動させられている場合がある(週刊誌の悪質なカメラマンはこれを平気でやる。やめよう。)
しかも後から場所を取ったくせして「邪魔です」「どうしてそこに立つ(カメラを置く)んですか」と言ってくる。一発即発の状況だ。カメラマン的には「お前が良いポジションで撮れないのは自分のせいだろ。しかもこっちは呼ばれて、しかも仕事で来てんだぞ」となる。そんなこと言わないが、言わなくても相当愛想悪く三脚を蹴飛ばしどこか別の場所へ移動すると思う。プレスは恐らく移動する際、特に謝らないはずだ。悪いことはしていないからだ。そうすると今度は一般客からの印象が悪くなる。テレビ局とセットでイベントの印象も。
もう◯チャンネルのテレビ見ない?じゃあ見なきゃ良いじゃん、という人が多い。愛は地球を救う系の番組では高額なギャラが度々問題になるが、それでも見る人は見る。そんなものだ。
話が逸れた。取材クルーが邪魔だと思われたこの時点で明らかに一般客のイベントに対する印象は悪いと思われる。取材スタッフは別の場所に移動する。すると、既にどう頑張っても良い場所で撮れない場合が多い。良い場所で撮れなければオンエアで採用とはならない。別の移動先でも一般客に「邪魔だろ!退けよ!」と言われる。完全にプレスはやる気を無くす。
長くなったがデメリットは
- 一般客の印象を悪くする要因になる
- プレスを呼んだのに使ってもらえない可能性が出てくる
という事だ。
丸く収めるためにプレス席を用意しよう
イベントの種類にもよるが、小さいイベントでも1日のうちほんの数時間ステージを組んで何かを披露するというような場合でも撮影席は用意しておくほうが良い。特に子どもが披露する演目が有る時は要注意だ。親バカならぬバカ親が割り込んで撮影してくる。プロを気取った無駄に装備だけ良いアマチュアスチルカメラマンも危険。マイク横でバシャバシャとシャッターを切る。
撮影席は会場の前方の左右どちらかの端か、どうしても無理なら最後方が望ましい。そして必ず撮影席にはロープを張るなどして一般客の侵入を規制したほうが良い。一般客にとってプレスは邪魔かもしれないが、プレスにとっても大体同じだ。子どもが突っ走ってきてうん百万するカメラを壊されても困る。
おわりに
一般客がホームビデオとして記録しているのと、プレスが仕事で撮影しているのとでは次元が違う。と、そう考えていただきたい。
地域によっても事情は違うのだろうから一概に席を用意しろとは言えないが、用意してあれば取材クルーと一般客との小さないざこざも少なく、カメラマンは安定した画を撮り、オンエア率も上がると思われる。
取材のためのイベントではないが、取材を入れるなら普段とは違った対応が必要だ。
元マスゴミが偉そうに席を用意しろと言うな?まぁ..この話を信じるかどうかはあなた次第…。